メスを持たない日には

外科医の、寄り道

GEICOで決まり?アメリカの自動車保険事情

写真はGEICOのHPより引用、加工

この記事で伝えたいこと

アメリカの自動車保険は驚くほど高い。

・直接現地の会社と交渉して見積もりを取るべき。

・何とか日本の運転歴を考慮してもらって、年額を下げよう。

 

アメリカの車・保険事情

日本からNY州に引っ越してきてはや1週間。色々悩んだ挙句、車は日系の中古車販売店ガリバーNY」で契約したものの納車までに自動車保険を契約せねばならない。他の駐在の方々のブログでも散々書かれている通り、アメリカの中古車は日本の感覚からは考えれないくらい高い!!!(購入したTOYOTA RAV4 2017年で諸経費込み26000$=400万弱)。

その分、リセールも高いので(トヨタ車なら3年で55%くらいらしい)一括購入することに決めたものの手持ちのドルでは足りず円→ドルに換えないといけない(数日前に何十年ぶりかの153円台に突入したところ😂)。。円安吹き荒れる今、アメリカで生活を始めるのは逆風のなか地を這って進むような感覚だ。

我々、留学医師は誰も費用を負担してくれないので保険も全額自腹なのである。そしてこの自動車保険も、アメリカはべらぼうに高い(下記)。

ニューヨークとカリフォルニアの年間平均保険料
(Fullは日本と同じくらい、Minは州が定める最低限の補償を満たす契約)

NY:Full coverage=$4205、Minimum coverage=$1661

CA:Full coverage=$2975、Minimum coverage=$824 

Compare Car Insurance Rates for April 2024 - NerdWallet

 

なぜ自力で現地の保険会社を探すことにしたか

恐らく駐在でNYにやってきた日本人は生活の立ち上げを日系企業ネットワークに依存して済ませるパターンが多いのではないか。我々は出国直前に挙式を予定していたこともあり、出来るだけ省エネで渡米準備をと考えていたため、多少の手間賃覚悟で日系不動産会社・リダックを通じてアパートを契約した。中古車購入に関しても、在米歴の長い方はCraiglist(メルカリのアメリカ版)やFacebookマーケットプレイスで購入するのが流行りのようだが、免許も保険もソーシャルセキュリティナンバーもない新参者にはハードルが高い。そのため、これまた日系のガリバーさんで車も購入した。

しかし渡米して2週間で徐々に英語による様々な交渉や電話対応にも慣れてきたので、そろそろ日系会社に頼らず、自力で保険くらい契約してやろうという気になった。加えてネット界隈では現地の保険会社でQuote(見積もり)を取って安くなったという口コミも多かったこともある。

契約に必要な知識として

アメリカの自動車保険トップシェア3社はState Farm、Berkshire Hathaway、Progressiveらしい。Berkshire Hathaway社は投資の神様・ウォーレン・バフェットのおかげで唯一知っていたので、その自動車保険部門であるGEICOでとりあえず見積もりを取ってみたのだが、ここから本当の戦いが始まったー。

まず補償の用語が分からない。基本的に見積もりを出した後、電話がかかってくるので交渉するためにはまず用語を理解することが不可欠だ。

主な参考用語たち

・Bodily injury (対人事故)+Property damage(対物事故)の補償=Liability Coverage

・Liability coverage + Comprehensive, Collisionなど(車両保険その他)など=Full Coverage

*ComprehensiveはCollison以外(自然災害や鹿衝突・飛び石)の補償を指す。
*ComprehensiveとCollisionの項目を決定するためにはDeductive(車体修理の時いくらまで自腹で出費するか)を設定する必要がある。通常$500か$1000でOK。当然、保険料は$500の方が高い。

・Uninsured/Underinsured=無保険車(車人口の10%以上)に対する補償額。

・Towing=レッカー代。

ここで注意が一点。日系の代理店を挟んで見積もりを取ると、大体Bodily injuryを$250000/$500000以上で設定される(それに加えてUmbrella保険という補償額引き上げプランも)ことになる。アメリカ人からすればこれは結構法外な金額らしく、電話で保険屋と話す時も驚かれた。彼が言うには、「そんなに高い補償額を設定するのは別荘持ちの超高額所得者だけ」らしい。しかし、日本人的感覚では万一の保証はしておきたいので私は$100000/$300000に設定した。

ComprehensiveやCollisionなどの車両保険は完全に個人の裁量なので、日本での運転経験などを考慮して決定すればいい。アメリカは路面が悪いので飛び石リスクがあり、田舎町で鹿にぶつかった友人もいるのでComprehensiveはDeductive$500、CollisionはDeductive $1000に設定した。

Towing(レッカー代)に関してはAAAというJAFアメリカ版に加入すればサービスを受けられるし、AAAは是非加入すべきとの助言を先輩から貰ったので省略予定。

どの保険会社が良いか?

参考のため、各社の平均的な保険料を載せる。先述の通りアメリカでは州によって大きく保険料が違うことにも注意が必要だが、GEICOは安いし日本人ブログ界隈でも結構評判が良さげである。

https://www.nerdwallet.com/a/insurance/car-insuranceより引用

私が見積もりを取ったのはTravellers(日系保険代理店を通して)、State Farm、GEICOの3社である。実際に電話で営業と話したのはGEICOとState Farm。2社ともすごく丁寧な営業で、特にGEICOは親身になって色んな割引も提示してくれた。GEICOのネットの見積もりは何度でもできるので、保険額やその他条件を変えて色々試すのがおススメ。

 試行錯誤の結果、保険料に大きく寄与するのはアメリカでの運転歴のようだ。日本で免許取得後15年くらいだが、こちらでは基本的に初心者扱いだ。そのため保険料がグググンっ!と上がる。ざっと年間$1000くらい違う。日系保険代理店の担当者に聞くと、彼らは日本の運転歴を考慮できるように保険会社と独自に交渉するため多少安い保険料を提示できるとのこと。それでも上記の補償額設定で年額$3400の見積もりだった。

 私個人の所感としては、日系代理店の見積額に納得が行かず、彼らの挙げる日系会社のメリットがイマイチ魅力に映らなかった。そのため、一度GEICOに日本の運転歴を考慮してもらえるか交渉することにした。そして、日本の免許証と国際免許があれば考慮可能とのことであった。

最終的な結論

GEICOにはDriveEasyという運転モニターシステムがあり、これを契約すれば保険料を10%割引にできるとのこと。またDMV(Department of Motor Vehicles:車両管理局)の講習を受けても更に10%割引がある。提示された保険料(これらの割引適用前)は年額$3180。この見積もりを武器に更にAAAでも交渉するか考え中である。最終的に契約したら、追記予定。