メスを持たない日には

外科医の、寄り道

ゴルフについて, part2

  先週行われた全米オープンWyndham Clark選手がメジャー初勝利を飾った。今年のPGAツアーで優勝したくらいしか知らなかったのだが、解説で彼の大学時代のストーリーを聞いているうちにいつの間にか応援してしまっていた。おまけに、アイアンの一部がTitleistのT200シリーズ、ウェッジがVokey SM9 52度,56度を使用ということで奇しくも吾輩と同じクラブセッティングを使っているようだ。この事実を前にして、
「お、同じクラブを使っているぞ。これなら僕もPGA優勝できるんちゃうか。」と
ポジティブになりたいものだが吾輩のポジティビティはそこまで振り切れてはいない。

 前置きはそれくらいにして、つい先日吾輩もついにベストを更新した!!出来るだけ沢山の人にその話をして「あの難しいコースで?それもこの暑さの中?君は努力の人だと思っていたが、遂にやったな!心から誇りに思うよ。」くらいの賛辞を頂戴したいのだが、世間のゴルファーに対する目線は依然冷ややかなもので「あ、そう。すごいね。ところで昼飯、何食べる?」くらいが精いっぱいの言葉なのだ。え、スコアはいくつって?聞いてくれてありがとう、96でした。

初夏の西脇カントリークラブ。クラブハウスもお洒落でコースもきれい。


 この記事はゴルフについて、というタイトルをつけているのでゴルフ歴2年半の若輩者のゴルフとの向き合い方をお話ししたいと思う。吾輩は基本的に月に2回のレッスン、週2-3回の打ちっぱなし、月に平均2-3回のラウンドをルーティンとしている。
おい外科医のくせにそんなにゴルフばかりして大丈夫なのか?と思ったそこのあなたは大変鋭い洞察力をお持ちのようだ。吾輩の勤務先の上司でないことを祈る。仕事についての詳しいことは追々書いていく予定なのでもし興味のある方が居られたら乞うご期待。まあとにかく、吾輩の頭の中はゴルフでいっぱいなのだ。街中を歩いていても公園の綺麗な芝生を見ればアプローチの練習がしたくなるし、傘で素振りなんて勿論のこと、あのコンビニまで30YDくらいかなとか、慣れ親しんだメートル法にも別れを告げそうなのである。

 では、親父がかじりつくテレビ画面の向こう側だった緑色の世界が、思い焦がれるユートピアに変わったのは何故か。休日のNetflixが、ゴルフショップ巡りと打ちっぱなしに変わったのは何故か。「さ、もう一軒行くか」に「ごめん、明日ゴルフやから先帰るわ。」と答え始めたのは何故か。ゴルフが吾輩を惹きつけて止まない第一の理由は、ゴルフは究極の自己責任スポーツだからだ。自分が打った球は物理法則のみに支配され、他人が野球やサッカーみたいに相手にディフェンスされることはない。その代わり、甘い球を投げてくれたり、反則でポイントが入るということもない。良いプレーも悪いプレーもすべては自分次第。それが最高にしびれる。野球のゲームでサヨナラホームランを打っても、その勝利が100%自分の一打のお陰ということはないだろう?
一方でゴルフでベストスコアは、100%自分のプレーの賜物なのだ。第二に、ゴルフをすると生活がとても健康的になる。まずゴルフ場という場所が既に健康的だ。緑は心を癒してくれるし、丁度いいウォーキングになる。家でじっとしているよりはるかにカロリーを消費できるし、おまけに前日だって早く寝ることになるから規則正しい生活が送れる。健康のためにゴルフをしていますと言えば、何となく許されそうな気もする。
お財布には優しくないわけだが、健康とお金を天秤にかけちゃだめだよキミ。その他にも仲間が増えるだとかコミュニケーションのきっかけになるだとか色々あるが、眠たくなってきたので今日はこの辺にしておこう。