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海外ドラマレビュー「The Offer-ゴッドファーザーに賭けた男-」

ちょっと趣向を変えて、ゴルフ以外の趣味である海外ドラマについてレビューを。
最近観たドラマ、その名も「The Offer-ゴッドファーザーに賭けた男-」。

タイトルのフォントもThe Godfatherと同じ。刺さる。

IMDb 8.6/10, Rotten Tomato 57%, Metacritics 48/100と若干評価は分かれている。

日本では現在、Paramount+と提携?しているUNEXTでのみ配信されている。

 ストーリーはいたってシンプル。ヒット作に苦しむパラマウントスタジオがWhiplash(邦題:セッション)で一躍有名になったマイルズ・テラー演じるプロディーサーを抜擢し、フランシス・フォード・コッポラや原作著者のマリオ・プーゾらと協力して幾多もの困難を切り抜け名作:The Godfatherを生み出すというもの。

 ゴッドファーザーのファンなら間違いなく観るべき作品だが、かの映画を公開時に劇場で観たターゲット層がこの日本(ひょっとするとアメリカでも)においてUNEXTなどの配信サービスにアクセス出来るかどうか。。

 前提としてゴッドファーのPart Iは観ておかないと話についていけないし、そもそも観たことがないとこの作品をわざわざ観ようとは思わないだろう。
しかし、原作のファンからしても特に前半はヨダレが出るほどの誕生秘話が目白押し。

 例えば当時無名だったアル・パチーノをマイケル・コルレオーネ役へ抜擢するための苦労話。このアル・パチーノ役の俳優、Anthony Ippolitoさんがもう若かりしアル・パチーノそのもの。特に薄暗い中の照明で少し顔を俯ける映り方!そして声!完全にアル。
 それから、マーロン・ブランド役がヴィトー・コルレオーネをいきなり自宅で演じ始めるシーン。これもハッとさせられるほどオーラが出ていて、さながら本家のよう。
 他にもマイケルがイタリア料理店で初めて人を撃つシーンや、俳優たちが顔合わせをしているうちに完全に役になりきってプロデューサーたちが思わず魅入ってしまうシーンなどなど。

 ここまでグッと来るシーンばかりについて書いたが、この作品自体の脚本というか流れについては今一つ・・・というところ。映画化が軌道に乗るまでのストーリーがやや冗長に感じたり、主演含めなかなか登場人物に感情移入することが出来ず。原作ファンとしてはもっと映画へのオマージュシーンが欲しかったというか。。

 ということで、全体の評価としては65点くらいかな。前半はすごく楽しませてもらいました。